山小屋泊登山をはじめよう!基本の利用方法とマナー・あると便利なアイテムをご紹介

日帰り登山から、山小屋泊の登山へとステップアップを検討している方もいるでしょう。はじめてだと、利用方法やマナー・持ち物がわからず、お困りかもしれません。この記事では、山小屋の魅力の他、基本的な利用方法・マナー・ルールの他、持っていきたい便利アイテムやおすすめの山小屋についてご紹介します。

山小屋とは?魅力は?

山が多い日本には、たくさんの山小屋があります。ロッジのような山小屋の雰囲気や山小屋から見られる絶景、美味しい料理など、日本中には個性豊かな山小屋がたくさんあります。中には、登山をするだけでなく、山小屋に泊まるために登山をするという方もいるほど、山小屋にはたくさんの魅力があります。また、縦走などで長期間の山行をする人にとっては、情報収集の場所としても機能しています。

山小屋の基本的な利用方法

山小屋を利用する際の基本的な流れをご紹介します。

予約

HPや電話から予約ができます。最近ではHPから直接予約ができる山小屋も多いため、まずはインターネットで宿泊を予定している山小屋を調べてみてください。

受付

HPの予約フォームの場合は、名前・住所・電話番号・日時・山行の概要などについて記載して送信。電話の場合は、担当者から詳細を聞かれるため、質問に返答すればOKです。また、予約をしていない場合でも空きがあれば宿泊することができます。直接受け付けで宿泊したい旨を伝えましょう。受付は15時頃までのことが多いので、それまでに到着できるようにしてください。
※新型コロナ感染症の蔓延防止のために通常よりも定員数を減らして、予約しか受け付けていない山小屋も多いので事前に必ず確認しましょう。

食事

受付で食事の時間を知らせてもらえるので、時間になったら食堂に行きましょう。また、食事なしを選択した場合は、山小屋の飲食スペースで食事ができます。就寝場所では飲食禁止のことが多いので気を付けましょう。

就寝・起床

消灯時間は夜9時の山小屋が多いです。まれに8時のところあるので、山小屋のルールに従いましょう。起床時間は厳密には決められていませんが、朝ごはんが朝の4時半や5時頃のところが多いので、それまでに起床して食堂に集合しましょう。

初心者が知っておきたい山小屋のマナー・ルール

次に山小屋がはじめての方に知っておいてほしい、山小屋のマナーやルールをご紹介します。

到着時間は早めに

山小屋の受付は15~16時の間に終了することがほとんどです。時間に遅れないように山行計画を立てましょう。
※遅れそうな場合には必ず連絡しましょう。連絡が無いと遭難騒ぎになることもあります。

濡れたまま玄関に上がらない

雨天で全身がずぶぬれの状態で山小屋に上がるのはマナー違反です。靴を脱いで室内に入る前に、タオルなどで全身を拭いてから上がりましょう。

靴置き場は共用。目印がおすすめ

山小屋の靴置き場は共用です。数百人が宿泊できる大型の山小屋だと、同じ靴や似た靴を履いている方も多く、目印がないとどれが自分のものかわからなくなる可能性があります。目印を用意しておきましょう。

お金は両替しておく

山小屋は、平地から離れており、あらゆるものの運搬に時間がかかります。お札の量にも限りがあるため、お金は両替してから出発しましょう。

トイレは有料の場所も

トイレの利用が有料のことが多々あります(一回100円など)。有料の場合にはトイレの前に小銭入れが置かれているため、使用前に必ず支払うようにしましょう。

水は有料が多い

山小屋では水も貴重が資源です。そのため、水を汲むのにもお金がかかることがあります。有料の山小屋の水道や水場で水を汲む場合は、必ず支払いましょう。

ビニール袋は控えめに利用

山小屋の就寝部屋は、個室ではなく複数人で利用することがほとんどです。早めに出発するために、明るい時間から就寝している人もいるので、ビニールなどをガサガサと使うと、音で起こしてしまう可能性があります。可能な限りビニール袋を控えて静かに利用しましょう。

ゴミは持ち帰る

山小屋で出したゴミは、必ず持ち帰るのがマナーです。就寝部屋などにゴミをそのままにして出発しないようにしましょう。

歯磨き粉・石鹸は利用不可

環境汚染を低減するために山小屋によっては、歯磨きや石鹸の利用を禁止していることがあります。洗面所などに注意書きがされているので、必ず確認してルールに従いましょう。

消灯は早め。夜間の騒音に注意

登山の朝は早く、朝食を食べない人の中には朝4時や5時に出発する人も少なくありません。消灯時間を過ぎても会話をしていると、迷惑になるため、消灯時間が過ぎたら会話はやめて、静かにするように注意しましょう。

山小屋泊で持っておきたい便利アイテム

山小屋に持っていくと便利なアイテムをご紹介します。

耳栓

周りの騒音が気になる場合に利用できます。快眠のためにもひとつ持参しましょう。

アイマスク

まだ明るい時間に眠るのに活用できます。消灯前に眠る可能性がある場合は持参しましょう。

デオドラントスプレー・汗拭きシート

山小屋にはシャワーがありません。ニオイが気になる方はデオドラントスプレーを持参して、到着後に散布しましょう。また、汗拭きシートもあると便利です。

ジップロックとティッシュ

汚れを拭き取ったり、鼻をかんだり、ティッシュがあると何かと役に立ちます。また、山小屋で出たゴミはすべて持ち帰る必要があるため、ジップロックを準備しておきましょう。

防寒着

山小屋は暖房が部分的にしかなく、室内が肌寒いこともめずらしくありません。標高が高ければ、夏場でも温度が一桁ということも多々あります。必ず防寒日を持参しましょう。

シュラフシーツ

新型コロナ感染症の蔓延防止のため、シュラフやシュラフシーツの利用を推奨している山小屋もあります。山小屋のルールを確認して、必要であればシュラフやシュラフシーツを用意しておきましょう。

モバイル充電器

携帯電話の充電のためにモバイル充電器があると便利です。山小屋のコンセントは使えないことがあるため、必ず準備しておきましょう。

おつまみ

山小屋のおつまみは、街に比べると高価です。節約のためにもおつまみを準備しておくとよいでしょう。

登山者に人気の山小屋5選

涸沢ヒュッテ(穂高連峰・涸沢カール)

涸沢ヒュッテは、北アルプス穂高連峰のふもとの涸沢カールにある、標高2309メートルの山小屋です。壮大な涸沢カールと穂高連峰を眺められるスポットとして、登山者から絶大な人気を誇っています。紅葉が楽しめる秋になると日本全国からたくさんの登山者が集まります。

唐松岳頂上山荘(北アルプス・唐松岳)

唐松岳頂上山荘は北アルプスの唐松岳の頂上にあり、壮大な立山連峰を眺められる山小屋です。360度の眺望が拡がる唐松岳山頂へは15分程度、ご来光が楽しめる山荘裏山5分程度と、山荘周辺は絶景ポイントにあふれており、登山者から非常に人気が高い山小屋です。

長蔵小屋(尾瀬・尾瀬沼)

長蔵小屋(尾瀬・尾瀬沼)は、福島県の尾瀬国立公園内にある山小屋です。尾瀬沼一周ハイキングや燧ケ岳登山の拠点として使われることが多く、4月から11月の営業期間には日本中から多くの登山者やハイカーが集まります。風情漂う雰囲気と、身体を癒される大浴場が人気です。

桃の木山の家(大杉谷)

桃の木山の家(大杉谷)は、三重県にある日本三大渓谷のひとつ大杉谷にある山小屋です。山小屋の前には、壮大な渓谷を渡る吊り橋が通っており、壮大なスケールの自然を体感することができます。一時、台風の影響で営業を停止していましたが、現在は再開。関西や東海のハイカーにおすすめです。

法華院温泉山荘(坊がつる)

法華院温泉山荘(坊がつる)は、大分県の坊がつるにある山小屋です。山小屋として営業をスタートしたのが1882年と非常に歴史が古いのがポイント。山小屋からは、くじゅう連山、三俣山を見渡すことができ、温泉に浸かりながら壮大な景色を楽しくこともできます。

まとめ

山が多く、古くから登山が盛んにおこなわれていた日本には、各地にたくさんの山小屋があります。今回ご紹介したものだけでなく、眺望が美しい山小屋やごはんが美味しい山小屋など、個性豊かな山小屋があるので、登山をはじめた方はぜひ一度訪れてみてください。山小屋にはさまざまなマナーやルールがあるため、事前に確認することも忘れずに。

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WRITER PROFILE

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やまちゃん

高校の山岳部で山の魅力にとりつかれてはや20年。 ロードバイクも好きで今はグラベルロードにどっぷりハマリ中。 週末は未知のトレイルを探しあちこち走りまわってご当地のお茶を買うという唯一無二の趣味を持つ男。

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