登山靴はどう選ぶ?登山靴の特徴と初心者の選び方

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よもさん

登山靴は登山の三種の神器のひとつに数えられる道具です。安全性はパフォーマンスに大きく影響するため、これから登山をはじめようという方は慎重に自分に合ったものを選びましょう。今回は、登山靴の特徴や選び方、お手入れの方法、おすすめのブランドについてご紹介します。

登山靴の必要性とは?

登山に行くのにスニーカーはダメなの?と考えている方もいるかもしれません。登山靴はなぜ必要なのか、その理由を解説します。

登山靴は三種の神器のひとつ

登山の三種の神器とは、数ある登山道具の中でも特に大切な3つの道具を指す言葉です。道具を収めるリュックサック、雨を防ぐためのレインウェア、そして歩行時の安定性やケガを防ぐ登山靴が挙げられます。

登山時の安定性・安全性を確保するために登山靴は必須

「登山には専用の靴が必要」と言われるのは、スニーカーなどの街履きの靴では登山中の安定性や安全性を確保できないからです。整備されていない山道を長時間歩くのは、足に大きな負担がかかります。また、山道は塗装路に比べて転倒のリスクが高く、足首を保護する必要もあります。安定性・安全性・耐久性・防水性が確保されていない靴で登山をすると、足が痛くて登山を楽しめなかったり、ケガによって行動不能に陥ったりする可能性があります。

登山靴の特徴。必要な機能は?

続いて、登山靴に必要な機能と特徴についてご紹介します。

つま先・かかとの硬さ

つま先やかかとが柔らかいと、岩に足先やかかとをぶつけてケガをしてしまったり、痛めてしまうリスクが高くなります。そのため、登山靴はスニーカーなどに比べてつま先やかかとが硬くなっています。

ソールの剛性

登山道は塗装路に比べてでこぼこが多く、歩いているだけでも足の裏への負担が大きくなります。岩や木の根が突き出たような場所もあり、ソールを突き破って足の裏をケガしてしまう可能性もあります。そのため、登山靴のソールは丈夫に作られています。

防水性

登山中はぬかるみや水たまり、川辺を歩くようなことがあります。防水性がない靴で歩くと、内部に水が浸透してしまう可能性があります。また、雨が降るとすぐに水が染みてしまいます。水に濡れるのを防ぐために、登山靴には防水性が必要です。

滑りづらさ

滑り止めのないソールで岩や木の根を歩くと、滑って転倒してしまうリスクが高くなります。そのため、登山靴のソールは滑りにくいように設計されています。

くるぶしが固定できる

登山でもっとも多いケガのひとつが捻挫です。万が一足をくじいても、くるぶしを固定することでダメージを軽減できます。

生地の耐久性

尖った岩や木の根でこすれて破けないように、登山靴は耐久性の強い生地や革で作られています。

どのように選ぶ?登山靴の選び方

ここでは、登山靴の選び方についてご紹介します。「足首の高さ」「ソールの硬さ」「目的地・行動時間」に合わせて登山靴を選びましょう。

足首の高さから選ぶ

・ハイカット
くるぶしの上まで高さのある靴がハイカットです。足首がしっかり守られているため、もっとも安心感のあるタイプです。耐久性・防水性などにも優れており、2000mを超える山や縦走にも挑戦したい方におすすめです。

・ミドルカット
くるぶしまで高さがある靴がミドルカットです。足首を守りつつ、足さばきがしやすく、安心感と扱いやすさを兼ね備えたタイプです。ハイキングにも使えるようなソフトなタイプから、2000m級の山や縦走などの長期間の山行にも耐える上級者向けのものもあります。

・ローカット
くるぶしよりも低い靴がローカットです。足首のサポート力はないものの、軽さと扱いやすさが特徴。ハイキングや低山のトレッキングなど、ソフトな山行を検討している方におすすめのタイプです。

ソールの硬さから選ぶ

・ソールが硬いタイプ
ソールが硬いタイプは、岩稜帯の多い2000m以上の高山や長期縦走、テント泊山行を検討している方におすすめです。硬いソールが、足の裏へのダメージや尖った岩によるソールの踏み抜きといったリスクを軽減します。

・ソールがやや硬いタイプ
ソールがやや硬いタイプは、日帰りの登山などを検討している方におすすめです。ソールが硬いタイプよりは軽く、足も動かしやすいため、初心者でも扱いやすいでしょう。

・ソールが柔らかいタイプ
ソールが柔らかいタイプは、岩稜帯がなく、比較的平坦な道が続くハイキングなどにおすすめです。もっとも軽く扱いやすいため、スニーカーのような感覚で履くことができます。

目的地・行動時間から選ぶ

目的地と行動時間に合わせて、カットの高さとソールの硬さを選びましょう。以下は目的地と行動時間でそのようなカットとソールを選ぶかの目安です。
・あまり登り下りを伴わないハイキング:ローカット、柔らかいソール
・行動時間が短めの登山:ミドルカット、やや硬めのソール
・岩稜帯を含み行動時間も長い登山:ハイカット、硬いソール
中・上級者になると「扱いやすいローカットで縦走する」という人もいますが、足首のサポート力が弱いので、はじめての方にはあまりおすすめできません。上記を目安に、山行経験を増やしながら、自分に合ったカットやソールを探してみてください。

フィット感が重要!自分に合ったサイズの合わせ方

登山靴選びでもっとも重要なのがサイズです。サイズの合っていない靴で登山をすると、機能が優れていても、足へのダメージが大きくなります。登山靴を選ぶ際には、サイズ合わせを意識してみてください。

オンライン購入する店舗で購入する?

登山靴を購入する方法には「オンライン購入」「店舗で購入」の大きく2つがあります。便利な「オンライン購入」を検討している方もいるかもしれませんが、サイズをしっかり合わせるには「店舗」で試着してもらう必要があります。オンラインで購入する場合も、店舗で必ず試着してサイズを確かめてからにしましょう。

サイズの合わせ方

店舗で登山靴のサイズを合わせる場合は以下の流れで行いましょう。
・登山用靴下を履く(持参するか試着用を借りる)
・靴の内側先端につま先が触れるまで入れる
・かかとに指一本のゆとりがあるか確認
・足を移動させてかかとにフィットさせる
・つま先から紐をしめていく
・店内や斜面台を歩いて確認
以下の流れで、サイズを合わせて歩いてみて、つま先が先端部に 当たっていたり違和感がなければ問題ないでしょう。少しでも違和感がある場合は、異なるサイズを出してもらうか、別の靴を履かせてもらいましょう。ちょっとした違和感が大きな負担になる可能性があるため、気になることやわからないことは随時店員さんに確認してください。

登山靴のおすすめのメーカー10選

登山靴はさまざまなメーカーから販売されています。ここでは、さまざまなモデルを発売しているおすすめの登山メーカーをご紹介します。

スポルティバ

スポルティバは1928年に設立したイタリアのアウトドアブランドです。登山・クライミング・マウンテンランニングの分野で数多くの革新的な商品を生み出しています。中でも登山靴が豊富で、さまざまなバリエーションの登山靴を揃えています。

マインドル

マインドルは約300年以上続く、ドイツのアウトドアシューズブランドです。優れた耐久性とフィット感がマインドルの登山靴の特徴で、山岳クライマーからウォーキングまでさまざまな用途に合わせたシューズを開発しています。

シリオ

シリオは、日本人の足型に合わせた登山靴を開発するメーカーです。甲高段広や偏平足気味の日本人に合った設計・開発しているため、登山の初心者の方でも安心して利用できるでしょう。

マムート

マムートはスイスに拠点を持つアウトドアブランドです。登山・スノースポーツなど、さまざまなアウトドアレジャーに対応する製品を開発しています。シューズはスイスの名門登山靴メーカーだった「Raichle 」の技術が生かされているため、信頼性が高くユーザーが多いのが特徴。低山ハイキングから雪山登山までさまざまな山行に対応する登山靴を開発しています。

キャラバン

キャラバンは、日本に古くからある登山靴メーカー。1956年、日本山岳会隊がヒマラヤ・マナスルへの世界初登頂を遂げたこのとき、遠征隊員がベースキャンプまでのアプローチに履いたシューズ「キャラバンシューズ」が原点。「軽くて、履きやすくて、歩きやすいこと」をモットーにさまざまな登山靴を設計・開発しています。日本人の足と日本の山を踏まえて開発されているため、初心者でも安心して利用できます。

グランドキング

グランドキングは、高機能と履き心地を両立した登山靴を開発するメーカーです。テント泊や縦走などの長期山行に適したハイスペックシューズが特徴。低山トレッキングから次のステップにチャレンジしたいという方におすすめのメーカーです。

メレル

メレルは、1981年に設立されたシューズメーカーです。LET’S GET OUTSIDEをコンセプトに、アウトドアレジャーに適した靴を設計・開発しています。履きやすく、軽量でデザイン性に優れた靴が多く、アウトドアでもおしゃれを楽しみたいという方におすすめです。

ザ・ノース・フェイス

ザ・ノース・フェイスは、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで1966年に設立されたアウトドアブランドです。高品質なアウトドアアイテムを多く取り揃えており、登山靴のラインナップも豊富。取り扱っている店舗も多く、初心者の方でも手に取りやすいブランドです。

ザンバラン

ザンバランは、1929年に設立されたイタリアのアウトドアブランドです。北イタリアのドロミテ山塊の麓の小さな街にZAMBERLAN(ザンバラン)本社があり、山を愛するスタッフ達によって山登りに特化した靴を開発し続けており、履きやすさ・機能性にこだわった登山靴が多数ラインナップされています。

ガルモント

ガルモントはイタリアのアウトドアシューズブランドです。伝統と技術革新を融合したバリエーション豊かな登山靴を多数ラインアップしています。ローカットからハイカットまで、さまざまな登山・山行に対応した靴があり、初心者の方でも選びやすいでしょう。

長期間が安心して利用するために。登山靴のお手入れ

最後に登山靴の手入れの保管の方法をご紹介します。登山靴を履いた後は以下の方法で手入れして、長く使えるように保管しましょう。

洗い方

使用後は以下の手順で登山靴を洗いましょう。
・アッパーや靴底についた汚れをブラシで落とします。
・汚れがひどい場合は専用のクリーナーを使って汚れを落とします。
・靴の内部のインソールを外す
・靴とインソールを陰干しして乾燥させる
・しっかり乾いたら、次の山行に備えて撥水処理を施します。
湿った状態で靴を保管すると、雑菌が繁殖してニオイやカビが発生する原因になります。
洗浄後は必ず陰干しして乾燥させるようにしましょう。

保管方法

靴の内部とインソールが乾燥したら、以下の手順で保管しましょう。
・靴の内部に新聞紙を丸めて詰める
・靴ひもを一番上まで締める
・通気性の良い場所に保管する
新聞紙には、湿気を取り除く役割があり、必ずしっかり靴の中に詰めるようにしましょう。また、靴ひもを上まで締めることで形崩れを防ぐことができます。保管場所は湿気を防ぐために箱などに入れず、なるべく通気性が良い場所を選びましょう。

まとめ

登山の三種の神器のひとつ登山靴は、登山の安全性とパフォーマンスに大きく影響します。これから登山をはじめたいという方は、今回の内容を参考に一足目を選んでみてください。また、使用後、そのまま放置するとニオイ、形崩れが発生します。しばらく利用する機会がない場合は特に、洗浄と保管をしっかり行いましょう。

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WRITER PROFILE

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よもさん

若き日は世界を放浪するバックパッカー 中年になった今はキャンプと釣りがメインで山登りを少々。 次は素潜りにチャレンジして銛で大きな魚を突いて「とったどー!」と叫ぶのが夢。