テント泊デビューの必需品。山岳テント選びのポイントとおすすめ5選
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writer ラグビー登山家 ナガサワ |
日帰り登山、山小屋登山の次のステップとして、テント泊登山に挑戦したいと考えている方もいるのではないでしょうか?テント泊に適切なテントがどのようなタイプなのかがわからず、お困りの方もいるかもしれません。今回は、山岳テントの選び方とソロテントと2人用テントのおすすめ5選をご紹介します。
山岳テントとキャンプ用のテントの違いとは?
まずは、登山用の山岳テントとキャンプ用のテントの違いについて解説します。
キャンプ用テントの特徴
キャンプ用のテントは、快適性に重きを置いたテントといえます。登山に比べると自然環境が穏やかで、キャンプ用に整地された場所でテントを建てることができるため、軽さや耐久性も一定確保しつつ、より快適に過ごせるように設計されています。
山岳テントの特徴
山岳テントの特徴は、軽量性・耐久性に特化しており、キャンプのテントに比べると小ぶりなタイプが多いということです。長い山行で持ち運ぶ必要があるため、軽さが絶対で、強い風・雨や寒さに耐えられるように耐久性や機能性を重視して設計されています。また、登山のテント場はキャンプ場のように広いスペースがなく、整地もそこまでされていません。そのため、登山テントは少しコンパクトに作られています。
登山のテントを選ぶ際の10のポイント
山岳テントを選ぶ際のポイントについて解説します。以下の10個のポイントを踏まえて、登山用の山岳テントを選びましょう。
テントの重量
山岳テントはバックパックに入れての持ち運びが前提となるため、軽量に作られています。最近では1kgを切るようなタイプもたくさん登場しています。ソロや2人用山岳テントのスタンダードな重量は約1kg程度なので、この重さを基準に選びましょう。重すぎるタイプを選ぶと、山行が非常に辛くなるので注意しましょう。
テントの収容人数
テントの収容人数は、快適性を重視したい場合は参加人数+1名が基準(ソロなら2人用など)。テント内部のスペースが広くなり、荷物を置いても広々と使うことができます。少しでも荷物を軽くしたいという方は、参加人数ぴったりのサイズを選ぶのがおすすめ。やや狭く感じることはあるものの、問題なく利用できます。
テントの収納性
バックパックという限られたスペースにテントを収納する必要があるため、コンパクトであればあるほど収納しやすいといえます。とはいえ、コンパクトさに偏るとスペックが落ちてしまうため、標高や宿泊日数など、山行のレベルに合わせて必要なスペックを保ちつつコンパクトなタイプを選ぶとよいでしょう。
テントの耐久性
2,000mを超えるような標高のテント場では、非常に強い風が吹くことがあります。耐久性が低いと、強風によって生地が破れたり、ポールが折れ曲がってしまったりすることがあります。テント泊登山に利用するテントを選ぶ際には、強度の高い生地・フレームで、風に強い構造のテントを選ぶようにしましょう。
テントの防水性
山は平地に比べると天候が変わりやすく、就寝中に雨が降ることも少なくありません。標高が高く気温が低い場所でシュラフなどが雨に濡れると、保温力が低下して、体調不良になったり行動不能に陥ることもあります。そのため、防水性がしっかりしたモデルを選ぶのがおすすめ。耐水圧1,500mmを基準に選んでみてください。
テントの対応シーズン
テントは、夏に使える1シーズンテント、春夏秋に使える3シーズンテント、一年を通して利用できる4シーズンテントがあります。登山に使える山岳テントを購入するのであれば、春夏秋に使える3シーズンテントがおすすめ。春秋の寒い時期でも利用でき、夏場の標高が高い場所でも安心して利用できます。テント泊デビューの方は、まずは3シーズンテントを選んでみてください。
テントの構造(ダブルウォールとシングルウォール)
テントの構造には、ダブルウォールとシングルウォールの2種類があります。シングルウォールは軽くてコンパクトなのがメリットですが、結露が発生しやすいのがデメリット。ダブルウォールはやや重いものの、結露が発生しづらく、保温力もシングルウォールよりも高い傾向があります。テント泊初心者であれば、安心感や安全性を重視してダブルウォールを選ぶのがおすすめです。
テントのタイプ(自立式と非自立式)
テントのタイプには、自立式と非自立式の2種類があります。非自立式はペグやロープでの固定が必須で、テント場によってはペグが打てず設営ができない可能性も。ロープなどを上手に活用することで設営することもできますが、やや難易度が高いため、テント泊初心者であれば自立式を選ぶのがおすすめです。
テントの利便性(前室の有無、ポケットなど)
テントの基本スペックだけでなく、前室の有無やテント内にポケットがあるか、ライトを設置できるストラップはあるかなど、利便性や使い勝手も確認しましょう。貴重品を管理できるポケット、靴や荷物を雨に濡らさずに収納できる前室・ライトを設置できるストラップの3つは、あると非常に便利です。これらの機能が搭載されたモデルがおすすめです。
テントのカラー・デザイン
安全性や安心感とは関係がないものの、所有欲をくすぐるようなカラー・デザインのテントであればテント泊をより充実させることができるでしょう。夕方にコーヒーを飲みながら、大自然に設置されたテントを眺める時間は至高の時間です。スペックをしっかり確認しつつ、気に入ったカラー・デザインのテントを選びましょう。
初心者におすすめの山岳テント5選
ここからは、テント泊初心者におすすめの山岳テントを5つご紹介します。
【ソロ】:ファイントラック カミナドーム1
ファイントラック カミナドーム1は、ソロ用に設計された山岳テントです。オールシーズン対応のスペックで、雪山登山などでも利用できます。ダブルウォールで、耐水圧1,600mm、内部の換気が促進される構造のため、結露などが起きにくいのもポイント。広い前室やテント内にポケット、天井に設置されたオプションループなど、利便性も優れており、居住性も抜群。重量も1280gと非常に軽量で、テント泊エントリーに十分すぎるスペックを備えています。
【ソロ】:プロモンテ シングルウオールアルパインテント
プロモンテのシングルウオールアルパインテントは、軽量・コンパクトなシングルウォールの山岳テントです。シングルウォールのため、結露が発生しやすいのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、耐水圧4500mm・透湿性25000g/m2・24hr(B-1法)というスペックの防水透湿生地を使用しており、結露の発生を大幅に軽減できます(結露しないということではありません)。強度も十分で設営・撤収も簡単。総重量は1,190gと非常に軽量なのもポイント。収納もコンパクトなテント泊にぴったりなテントです。
【2人用】:ダンロップ 2人用コンパクトアルパインテント
ダンロップの2人用コンパクトアルパインテントは、耐久性・軽量性に優れたオールシーズンテントです。ダブルウォールの二重構造で、結露が発生しにくいのもポイント。水分を吸収せずに、乾きが早いポリエステル素材をフライシートに使っており、降雨や朝の霜が降りた後もすぐに乾いてくれ、水分でテントが重くなることを防いでくれます。居住空間や前室も十分な広さがあり、快適性も抜群。性能のバランスに優れた2人用の山岳テントです。
【2人用】:ファイントラック カミナドーム2
ファイントラックのカミナドーム2は、ソロ用で紹介したタイプの2人用です。ソロと同様にオールシーズン対応のスペックで、標高の高い厳しい環境でのテント泊にも耐えうるスペックです。2人用のため、全体のサイズが大きくなっているものの、総重量は重量1460gと、ソロ用との差分は300g。居住空間をより広く使えるため、ソロ用で2人用のテントをお探しの方におすすめです。
まとめ
テント泊の登山に挑戦する場合、山岳テントはもっとも重要なアイテムです。疲れた体をしっかりと休息させるためにも、軽さだけにこだわるのではなく、十分なスペックのタイプを選びましょう。選び方がわからないという方は、今回ご紹介した山岳テントの選び方を参考にしてみてください。
ITEM この記事で紹介されたアイテム
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ファイントラック / finetrack
カミナドーム1 / FAG0311
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プロモンテ / PUROMONTE
シングルウオールアルパインテント VB-11(1人用) / Single Wall Alpine Tent
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ダンロップ / DUNLOP
2人用コンパクトアルパインテント / Two Person Compact Alpine Tent / vs-22
WRITER PROFILE
writer ラグビー登山家 ナガサワ |
世界初のラグビー登山家。 2019年W杯のエンブレムに描かれていたダイヤモンド富士からインスピレーションを受け、25ヵ国の国と地域の出場経験国の最高峰にトライ。 GsMALLが挑戦者や冒険者にとって無くてはならないサービスになるコトと、カナダ最高峰ローガン(5,959 m)の山頂にトライを決めるコト、W杯版聖火リレー(みたいなモノ!?)を創設するコトが夢。